奈良県香芝市に住むAさんは、数十年前から複数のカードローン会社から借入を行っており、毎月の支払が厳しくなってきました。
ただ、債務整理のうち自己破産までは考えておらず、なんとか支払期限や額を減らすことで対応できないか?と考えています。
そこで、弁護士に、Aさんの負債額などで任意整理ができるかどうか等債務整理の相談をしました。
なお、その際、Aさんには過払い金が出るかも知れない旨も弁護士から伝えられました。
(事例はフィクションです)
さて、前回までは債務整理のうち、破産や再生手続について簡単に書かせて頂きました。
今回は、債務整理のうち、任意整理についてです。
任意整理は、裁判所を利用することはありません。
そのため、任意整理では裁判費用(予納金)などがかかってくることはありませんので、その点については債務者にとってはメリットといえるでしょう。
また、破産のブログの際にも軽く記載しましたが、ギャンブルでの浪費に伴う借入などであれば、免責不許可事由に該当してしまいます(裁量免責を目指す必要があります)。
しかし、任意整理はそのような免責不許可事由があっても行えますので、借入の原因などは関係がありません。
もっとも、任意整理は債務をゼロにしたり、大幅に債務額を減らすというものではありませんので、債務自体は残ることになります。
※なお、15年以上前から継続的に借入を繰り返している場合には、利息制限法の上限を超えた利息を支払っている場合があります。
その場合、債務額自体が減少したり既に返済義務がない状態となっていることもあり得ます。(これが、よく言われる「過払い」です)
また、任意整理の場合、債権者の会社と個別に債務の返済期間などの交渉をするのですが、債権者によっては分割払いを一切認めなかったり、1年以内等の短期間でしか応じないケースもあります。
そのような場合には、民事再生や自己破産なども選択肢として考える必要がでてくるといえるでしょう。
また、債務者によっては、任意整理により、各債権者との間で5年での分割払が認められたにもかかわらず、3年目で支払えなくなり、結局、その後、破産手続きをしなければならなくなったという方もいらっしゃるようです。
債務者にも借入に至ったいろいろな事情があると思いますし、債務者を取り巻く環境も様々です。
そのため、自分の現状を正確に把握したうえで、適切な選択肢をするのは難しいかも知れません。
しかし、そのまま何もせず放置し続けるとより悪い結果へとなる可能性もあります。
支払いが滞っており、債権者からの督促で悩まれている方、現状を脱したいとお考えの方は、是非一度、債務整理について最寄りの弁護士に相談してみてはいかがでしょうか。