奈良万葉法律事務所の事務局のIです。
ここ数日ですっかり寒くなってきました。
しかし、昼間は気温が高いことも多く、寒暖の差から体調を崩される方も少なくないと思います。お体にはご自愛ください。
さて、今回は、当事務所で多く法律相談が寄せられます「債務整理」「交通事故」「相続・遺言」「離婚」問題の中でも「債務整理」について書かせて頂きます。
「債務整理」とは、多額の債務を負った多重債務者を救済し、経済的な再生を図る手続きのことを指します。
例えば、ギャンブルの軍資金を得るために、消費者金融からお金を借りたり、クレジットカードのショッピングなどによって多額の債務をおってしまいます。
「債務整理」の中には、いくつかの手続きの種類があり、それぞれ特徴があります。
簡潔に書かせてもらうと、個人の「債務整理」の手続きの種類としては①破産②個人再生③特定調停、債務弁済調停④任意整理、の大きく分けて4種類あります。
今回は、債務整理の手続きのうち、①「破産」について簡単に取り上げます。
債務整理のうち「破産」というのは、多くの方が聞いたことあるワードではないでしょうか。
負債額が自己の財産の総額を超え、債務全額を支払うことができなくなったときに、裁判所が選任した破産管財人が、債務者の有している財産を原則として全て換価します。
(自由財産という概念がありますが、このブログでは省略します)
その後、債権者に平等に分配して、残った債務について免責許可を得ることで債務の支払を免除してもらえます。
ただ、破産管財人を選任するにも予納金が必要で、その額分の財産すらないような場合には、破産管財人が選任されることなく手続きが終了し、免責手続きに進むことになります。
これを同時廃止といいます。
実務上、個人の破産は同時廃止となることが多いといえます。
もっとも、破産申立者が事業者であったりするような場合には、原則、破産管財人が選任される事件となってしまいます。
破産の申立は裁判所にするのですが、債務者自身以外にも、債務者の債権者がすることもできます。債務者自らが申立をするような場合を「自己破産」といいます。
ただ、破産をすれば、全ての債務が免除されるわけではない点について留意しておく必要があります。
免責不許可事由が破産法上列挙されており、上記のようなギャンブルでの借入は免責不許可事由となってしまいます。
(もっとも、裁量免責という形での免責はありえます。ただ、その場合、しっかりと裁判所に対して上申を上げる必要が出てきます)
自ら破産手続きの申立をすることも可能ですが、資料を自分で過不足なくそろえたり、債権者(カードローン会社)へ連絡したりといった手間は、かなりかかります。
債務整理(破産)をご検討の方、どうしていいか不安だという方は是非、一度弊所の弁護士にご相談してみてはいかがでしょうか。
次回は、個人再生の概要について書かせて頂きます。