本件は、顧問企業様とリフォームの請負契約を結んだお客様から、工事が完了した後になって、工事に不備があったとのクレームが入ったため、適切な対応をして欲しいと依頼された事案です。
企業担当者からの聞き取り、請負契約書、見積書の記載内容などから事実関係を確認すると、工事は適切に完了しており、クレームが出されている部分は、書類上、工事の範囲に何ら関係がない部分に関するクレームであることが分かりました。ただ、早期解決のために、顧問企業様としては、請負代金を返金しても良いという考えももっておられました。
しかし、法律上何ら理由が認められないのにもかかわらず、返金で対応してしまうことも必ずしも良い方策とは限りません。そこで、弁護士は、相手方に電話で何度も連絡を取り、顧問企業様に工事の不備がなかったことを書面で確認しつつ、解決金として、一部のお金(請負代金の10%程度)を返金するとの内容で本件を終了させることにしました。
企業の顧客対応について、問題が生じるケースはよくあります。その場合、闇雲に対応するのではなく、書面や聞き取りによって現在ある資料を収集し、将来、この問題が訴訟になった場合に、どのような結果が得られる可能性が高いか、という観点から逆算して適切に対応を見極める必要があります。このように、顧客対応で弁護士が対応する場合、顧問企業様にとってみると、弁護士が窓口となることで、対応業務のご負担を減少させつつ、適切な解決を得られるとのメリットがあります。なお、本件では、担当弁護士としては、一切の支払いは必要がないと考えていた事案ですが、顧問企業様のお考え、時間的問題、トータルとしての最適解決等種々の事情を勘案し、対応をしております。