本件は、1車線の道路で対向車同士がすれ違う際に、自動車の側面同士が衝突した交通事故事件です。事故の状況について、依頼者と相手方の主張が完全に食い違っており、相手方は、当初、双方に同じだけ責任があるはずなので、過失割合は50:50だと強硬に主張していました。
本件では、双方の保険会社がそれぞれ詳細な事故状況図を作成しており、また、現場写真や損傷した車両の写真を、順次収集しました。その上で、相手方が主張する事故状況が現場の状況や車両の傷とつじつまが合わないこと、依頼者の主張される事故状況がそれらの証拠と矛盾なく説明できることなどを詳細に説明し、保険会社と交渉しました。その結果、相手方が態度を変化させ、過失割合について、依頼者:相手方=30:70とすることで示談が成立しました。
交通事故の状況について、当日相手方が認めていた内容と後日相手方が主張する内容が異なる場合はよくあります。そのようなことがないよう、交通事故の現場において、事故当事者の証言を何らかの形で記録しておくことも重要です。また、そのような記録がない場合でも、本件のように事故に関する様々な資料を収集し、相手方の主張に不合理な点がないかどうかを丁寧に検討することで、適切な解決に導くことができる場合も多くあります。